100以上の路線と約4,200の停留所で、オアフ島内ほとんどのエリアと主たる場所を網羅する、ハワイ州で唯一、全米公共交通機関協会に加盟する公共交通機関です。
オアフ島内の主たる場所を網羅。
|
|
車内や車窓でローカルの人々の生活が垣間見られます。
|
アロハ~! ハワイナビです。
今回は「ザ・バス(TheBus)」のご紹介です。ザ・バスは、タクシーやトロリーを除いた、2011年現在オアフ島唯一の公共交通機関。ひらたくいえば市バスです。
いっちょ、ザ・バスに乗ってみますか~!
せっかくのハワイ。ワイキキ周辺だけでまったり過ごすのもいいけれど、たまにはワイキキを飛び出して、オアフ島のほかのエリアを探検してみたい。だけどレンタカーを借りるには、運転免許がない、あるいは日本と違う右側通行と慣れない道路が不安材料・・・そんなときは、ザ・バスを利用してみるのもいいのでは。
ザ・バスって? TheBus?
ザ・バス@ホノルル国際空港。
「全米公共交通機関協会から2度にわたって『アメリカで最も優れた公共交通システム賞』を受賞」と紹介されることが多いザ・バスですが、1度目の受賞は1994年度。2度目は2000年度。最後の受賞から10年以上経ってるんですよ~。日本の素晴らしい都バスや市バスを知っている身としては、「最も優れたって・・・そ、そこまで言う!?」と疑問に思ってしまうことも。たとえば、時刻表はあんまりアテになりません。目安程度に考えてください。また、日本の都会のように頻繁に運行しているわけでもありません。もちろん、イイところもあります。格安の島内一律片道料金で、オアフ島をほぼ一周することも出来ちゃいます。
トロリーにするか、ザ・バスにするか・・・それが問題だ!?
アラモアナ・センターや、ダウンタウンにあるイオラニ宮殿、カラカウア大王像、チャイナタウン、また、ダイヤモンドヘッドやカハラ・モールといった、ワイキキからそう遠くない有名観光スポットへは、ワイキキトロリーが走っています。そうした場所へは、多少割高でも、乗り降りがわかりやすく、100パーセント観光客向けで、慣れない旅行者に優しいワイキキトロリーに乗ってしまうのも手かもしれません。(ツアーによっては旅行会社専用無料トロリーを利用できる場合も)
各トロリーが走っていないエリアまで足を延ばす場合、交通費をなるべく安くあげたい場合、地元のバスに乗ってローカルな気分を味わいたい場合は・・・ザ・バスへ、レッツ・ゲットオン(Let’s get on)!
ザ・バスの路線図(ルートマップ)。オアフ島のほぼ全域をカバーしています。
乗車運賃は? Fare?
2011年現在の運賃は以下の通り。島内一律片道料金です。
○大人(18歳以上)――2ドル50セント
○ユース(6歳~17歳と、学生証を提示する19歳までの高校生)――1ドル25セント
○子供(5歳以下)――運賃を払っている同乗者1名につき、座席に座らない子供1名は無料。座席に座る場合は1ドル25セント。
○障害者――1ドル(アメリカ発行の障害者手帳かメディケアカード提示要 / 海外からの旅行者には適用されず)
○シニア――1ドル(ハワイ発行の「ザ・バス・シニアカード」かアメリカ発行のメディケアカード提示要 / 海外からの旅行者には適用されず)
乗車時、おつりは貰えませんので、運賃はピッタリの額を料金箱へ入れましょう。
バス停? Bus stop?
住宅街のバス停。
屋根付きベンチのあるバス停、ベンチのみのバス停、バスのサインだけがあるバス停があります。
ワイキキから乗車する場合のバス停は、どちら方向へ向かう場合も、両側通行のクヒオ・アベニューからになります。クヒオ・アベニューには、ほぼ1~2ブロックごとにバス停が設置されています。ただし出発地点によって、サラトガ・ロード、カリア・ロードのバス停のほうが近い場合も。
アラモアナ・センターから乗車する場合は、行き先や路線によって、山側にあるコナ・ストリート(Kona St)と、海側にあるアラモアナ・ブールバード(Ala Moana Blvd)にバス停が分かれています。
なお、バス停には、日本のようにバス停自体の名前が書かれていません。が、各バス停とも、一応名前はあります。一部のバス停をのぞき、バスが走っている道路名と、交差する最寄りの道路名を組み合わせたものが名称となります。たとえば、「Kuhio/Paoakalani」「Kalakaua/King」など。
両側通行のクヒオ・アベニュー。
|
|
アラモアナ・センター コナ・ストリートのバス停。
|
廃止になりました - トランスファー(チケット)って? Transfer (ticket) ?
トランスファー。一番上の切り取られた時間まで有効。
乗車時に運賃を現金払いした場合、「トランスファー」と呼ばれる乗り換えチケットをドライバーからもらえます。黙っていてもたいてい渡してくれますが、渡してくれない場合は必要であれば、「トランスファー、プリーズ(Transfer, please.)」と言ってもらいましょう。「トランスファー」の有効時間は約2時間。「トランスファー」を使えば、有効時間内1回に限り、ザ・バスの乗り換えが可能です。その場合の乗り換えは、同方向や異なる方向への乗り継ぎでも、乗車した場所への復路でもOK。(過去のルールでは、復路への利用不可だったのですが、ルールが変更になりました。2011年8月、ザ・バス本社に確認済です)
【2014年7月1日からのルール変更】
2014年7月1日付で、トランスファー(乗り換えチケット)のルールが変更になりました。
乗り換えは、同方向や異なる方向へ乗り継ぎのみ可能。復路への利用は不可となりましたので、ご注意ください。
【2017年10月1日からのルール変更】
2017年10月1日付で、トランスファー(乗り換えチケット)が廃止になりました。
乗り換えが必要な乗客は、バス内でバスドライバーから1日パス(one-day pass)を購入することが可能です。1日パスの料金は、大人(18歳以上)5ドル、ユース(6歳~17歳と、学生証を提示する19歳までの高校生)2ドル50セント、障害者やシニア、メディケアやハンディバンカードホルダーは2ドルとなります。この1日パスは午前0時から翌深夜2時59分まで27時間有効です。(2017年10月1日現在)
持ち込み荷物は? Baggage Rules?
以下は持ち込み可能です。
○自転車はバス前部の自転車ラックへ。
○中サイズのブリーフケース、ダッフルバッグ、小サイズのキャスター付メタルバッグ(サイズは22インチ×14インチ×9インチまで)。1名につき1個まで。
○腕に抱えられるだけの買い物袋。
○小サイズのバックパック、デイパック(フレームナシのソフトタイプ)。
○ミニサイズの足なしタイプ芝生用チェア。1名につき2個まで。
○メタルフレームのチャイルドキャリア(乗車中は子供をキャリアから降ろす)。1名につき1個。
○折りたたみ可能なベビーカー(乗車中は赤ちゃんをベビーカーから降ろす)。1名につき1個。
○ギターやトロンボーンなど、楽器。大き過ぎないこと。1名につき1個。
○砂などがついていないビーチマット。
○抱えるか膝に載せられたスケートボード(車内でのスケートボード禁止)。1名につき1個。
○砂などがついていないソフトタイプのブギーボード(スケッグやフィンなし)。サイズは長さ48インチまで。1名につき1個。
○ケースやバッグに入ったゴルフクラブや取り外し可能な釣り竿。先端の鋭い部分が外部に出ていないこと。長さは48インチまで。1名につき3個まで。
○閉じられたキャリアやケージに入った小さなペット。ほかの乗客の迷惑にならず、座席の下に入るか膝の上に載るもの。
○テニスラケット、野球のバットなどのスポーツ用品。
(ザ・バス公式ウェブサイトより)
ルールはこのようになっていますが、車内で大きなスーツケースを持った乗客を見かけることも。
本来は禁止ですが、車内の混雑具合やドライバーの裁量によって、OKになるケースもあるようです。
また、盲導犬など身体障害者補助犬は乗車可能です。
乗り方は? How to get on?
乗車の際は車両前方の運転席横のドアから。運賃は運転席横の料金箱に。運転席後ろの両側は、優先座席(Priority Seat)になっています。
車椅子の場合は、バスによってドライバーが昇降口を低くしてくれるか、スロープを出してくれます。
乗りたいバスが来たら、前へ進み出る・手を挙げるなどして合図を。車椅子の方が優先です。
|
|
車椅子のために下がった昇降口。このままほかの乗客も乗ってしまいます。
|
運転席横にあるのが料金箱。お札は1枚ずつ入れます。料金箱の下にある透明バッグは「トランスファー」入れ。
|
|
運転席の後ろにある両側の席は、優先座席です。
|
乗車中の注意は? Don'ts on the bus
冷房完備の車内の窓は非常用ドアになっています。緊急時以外、開けないように~!
○車内は禁煙。
○車内での飲食は禁止。
○音楽プレーヤーは音漏れしないイヤフォン使用。
○携帯電話はマナーモードで。
○ほかの乗客の迷惑になる大声での会話は遠慮して。
○昇降口に立たないで。
(ザ・バス公式ウェブサイトより)
乗車時間が長くなると、車内の冷房(ヒエヒエ~)がこたえることも。心配な方は羽織るものを持ち込んで。
降り方は? How to get off?
新型タイプの車両では、次の停留所のアナウンス(英語で1回のみ)と、電光掲示板の表示があります。
|
|
座席の上部にあるヒモを引いて、降車の合図をします。
|
合図を出すと、新型タイプでは「STOP REQUESTED(降車のリクエストがありました=次、停まります)」の表示が。
|
|
降りる際は前方・後方どちらのドアから降りてもOK。前方ドアはドライバーが開けてくれます。後方ドアは、ドアの上にある緑色のランプが点灯したら、自分でドアのバーを押して開けます。(写真をクリックして拡大するとよくわかりますヨ)
|
車内に忘れものをした場合は? Lost & Found?
車内に忘れものをしてしまった場合は、ザ・バスのロスト&ファウンド(紛失物)オフィスまで。
TheBus Lost & Found Office
営業時間 月-金 7:30 – 16:00 / 土日・ハワイ州の祝日はお休み
住所 811 Middle St, Honolulu, HI 96819
電話 (808) 848-4444
○紛失物がロスト&ファウンドオフィスに到着するのは、発見された翌営業日。
○問い合わせは、届いた紛失物の整理が終了する9:00以降が望ましい。
○紛失物の保管期間は、発見日から30日間。
<問い合わせる際は以下のことを伝えて>
*紛失物の内容、色、ブランドネーム、材質など
*乗車したバスの路線番号
*紛失した日時
*乗車したバス停
*車内で座っていた位置
なお、ロスト&ファウンドオフィスの営業時間外に、緊急を要する紛失物(財布、航空券、パスポート、処方箋が必要な薬など)があった場合は、以下のザ・バス インフォメーションオフィスまで連絡を。
TheBus Information Office
(808) 848-5555 (営業時間 毎日5:30 – 22:00)
ただし、インフォメーションオフィスで直接、紛失物を探すことは出来ません。担当部署へ引き継ぎ出来る限りのことをします。
(ザ・バス公式ウェブサイトより)
路線(ルート)や時刻表(スケジュール)について調べるには?
クヒオ・アベニューのバス停。
ザ・バス公式ウェブサイトを確認するか、問い合わせる場合は、ザ・バス インフォメーションオフィスまで。
ザ・バス インフォメーションオフィス (808) 848-5555
(営業時間 毎日5:30 – 22:00)
路線図(ルートマップ)や時刻表(スケジュール)を入手したい場合は?
アラモアナ・センター山側1階「メイシーズ」寄りにあるホノルル・サテライト・シティホール(ホノルル市役所出張所)。
○アラモアナ・センター1階(ストリートレベル)山側にある「ホノルル・サテライト・シティホールHonolulu Satellite City Hall 」で。
営業時間は月-金 9:00 – 17:00。土日と州の祝日はお休み。
ほかにも、
○その他のホノルル・サテライト・シティホール(ホノルル市役所出張所)
○アラモアナ・センターのカスタマーサービスセンター
○公立図書館
○ハワイ大学各キャンパス
○ワイキキの「マクドナルド」各店、一部ホテル、「ABCストア」の一部
○カハラ・モールの「ロングス・ドラッグス」
などに置いてあります。
アラモアナ・センターのホノルル・サテライト・シティホール入口付近にザ・バスのラックが。
|
|
カハラ・モールの「ロングス・ドラッグス」。入口右手に路線図などが入ったラックが見えます。
|
下記のホテルで入手可能です。
運行スケジュールは、平日(Weekday)/ 土曜日(Saturday)/ 日曜日(Sunday)/ 州の祝日(State Holiday)に分かれています。
お得なパスは?
4日間パスは、ワイキキの「ABCストア」全店で購入可能。
○連続した4日間乗り放題の「4-DAY PASS」は25ドル。購入は「ABCストア」のワイキキ各店とアラモアナ・センター店、またはワイキキの「セブンイレブン」で。
○1カ月間乗り放題の「MONTHLY PASS」は大人60ドル、ユース30ドル。乗車期間は月の始めから終わりまで。お好きな1カ月ぶんの期間を選べるわけではありません。購入は、オアフ島の「フードランド」「セブンイレブン」「タイムス・スーパーマーケット」各店、ハワイ大学キャンパスセンター、ホノルル・サテライト・シティホールなどで。
ザ・バス、恐るるに足らず!
ワイキキで乗降するのは、その多くが旅行者。
乗ってみれば案外カンタン、これなら島内一周にチャレンジできそう!? ワイキキからザ・バスに乗車する場合は、周りの乗客のほとんどが観光客のため、客層も安定していています。が、ワイキキやアラモアナ・センターから離れ、郊外へ移動するザ・バスの車内は客層が非常にローカルに変わります。
ザ・バスでノースショアを目指す観光客は少なくありませんが、ローカルの人々にとっては、「ノースまでザ・バス!? あり得ない!」
車社会のハワイゆえ、中流以上の家庭では、一家に車1台どころか、1人1台がごく当たり前。どこへ行くにもマイカーで。ザ・バスとは無縁の、「最後にザ・バスに乗ったのは数十年前」「一度も乗ったことがない」「ザ・バスの運賃? 見当もつかない」なんていうローカルの人々も少なくないのです。
2両連結タイプのザ・バス車内。
なので、ザ・バスの乗客の大半は、学生かご年配、そしてマイカーのない中流以下層の人々。もちろん例外はありますが。そうした事情を踏まえて、ワイキキから離れたローカル色の強いエリアを通るザ・バスの車内では、見るからに高価な服装やアクセサリーは控えたほうがいいかもしれません。特に危険ということではありませんが、車内で完全に浮きます。
待てども待てども・・・なんてケースも。
また、ノースショアなど、ザ・バスの本数が少なく、日没以降は人通りも少ない、いざというときタクシーを呼ぶことも出来ないエリアでは、早め早めの行動を。日暮れどき、時刻表があてにならないザ・バスを待ち疲れ、バス停でヒッチハイクをしている旅行者を見かけることがあります。(ハワイではヒッチハイクは違法です)
道路工事などで、一時的にバス停の位置が変わることもあります。
基本的な乗り方や、こうした現地事情を頭に入れておけば、ザ・バスは恐るるに足らず。1回乗ってしまえば、ドンドン乗れるようになります♪ いったん慣れてしまえば、カンタンで便利で、なんといってもお財布に優しいザ・バス。機会があればトライしてみてください。
以上、ハワイナビでした!
*記事中の運賃や情報は、2011年8月現在のものです。
<追記 2012年4月>
スマートフォンや、インターネットに接続できる携帯電話、パソコンから、バスに搭載されているGPS機能を利用して、実際の予定到着時間が確認できる「Real-Time Bus Arrival(リアルタイムバス到着案内)」というサービスあり。システム自体の名称は「HEA(Honolulu Estimate Arrival)」。
各バス停に付けられているIDナンバー、もしくはバス停の道路名を入力すると、そのバス停に次に到着するバスが、予定到着時間順に25件表示されるというもの。情報のアップデートは2分毎。ただし現在、すべてのバスにGPSが搭載されているわけではないので、GPSが搭載されていないバスの場合は、時刻表の予定到着時間が表示されます。
HEAについてはザ・バスのホームページから確認できます。(詳細はホームページをご参照ください)